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湯ノ沢岳


●山頂から眺望

 湯ノ沢岳はこの連嶺中、主峰に次ぐ高い山である。集落の際に立ち人々との関わりも深く暮らしに身近な山である。
 伝説では弘法大師が湯殿山を開く前にまずここを開いて修行した山という。山中に残る遺跡も今は影をひそめているが、往時には湯ノ沢岳の拝所が御宝前まで十数ヶ所続き、山道に入れば、次々と神仏が祀られている。さらに山頂から300mのブナ平直下に御宝前が設けられ、湯ノ沢権現を中心に八大金剛童子や虚空蔵菩薩、三宝荒神、熊野権現、青面金剛童子などがとり囲み、いわばこの世ながらの曼陀羅を構成していたという。(朝日村史・信仰と伝承参)
 梵字川と大鳥川の合流点、鶴岡市朝日地区落合、朝日庁舎裏手から湯ノ沢岳を登る。堰堤前の橋を渡り、休耕田の中の道を過ぎ尾根筋に着く。樹林の急登が途切れて次にやせた岩尾根を行く。再び林に包まれ鼻をこするほどの急坂が続き主尾根の踊り場に着く。山頂は近く、対岸に月山が広がっている。山頂付近は灌木帯に覆われ展望は乏しいが、少し東に下った場所から庄内を見渡せる。いつまでも眼下に山里が見えて深山の趣はないものの、想像を越えて山歩きの面白さを味わうことができるだろう。山菜やきのこを採りながら登る、楽しみ多い山でもある。


●登山口・堰堤

●拝所を偲ばせる道標


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