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湯ノ沢岳



村人と共に暮らして来た山だから

春秋そこにあるだけでいい

ひとたび登れば、ルートには

しっかりとした「起承転結」がある

 山麓の集落、鶴岡市朝日地区下本郷から湯ノ沢岳の頂上までの道は、尾根づたいに続いて見える。それは登れば道々に振り返ると、いつも山里が見えるということでもあるが、かと言って低い山という訳でもない。
 摩耶連嶺が、北の終わりの金峯山へと連なって次第に高度を下げてゆく山なみの中程にあって、摩耶山に次ぐ964mの標高を持っているのである。何の変哲もない山、湯ノ沢岳ではあるが、裾野に点在する村々にとってみれば春秋を共に暮らしてきた山であり、人々の守り神でもあった。そしてここにもまた弘法大師の足跡はあって、山中に多くの拝所跡がある。今でこそこれらに足繁く通い、受け継がれる神事なども数少ない。近年ではここに暮らす人々の中にさえ、遠い昔の信仰の風聞でしかなくなった、故郷の山であるのかもしれない。そんなことをも思いながら、湯ノ沢岳に登り、帰って来る。・・・・・・けれどこの行程にはしっかりと起承転結があった。

 


[参考コース・所要時間]
(JR鶴岡駅−新落合/バス30分)※車の場合、林道終点まで30分
登山口(2時間→←1時間30分)主尾根(20分→←15分)山頂


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