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金峯山は通年市民登山やハイキングの好山として賑わっている。登り口も北に金峰少年自然の家、高坂、西に湯田川口、東に滝沢、青龍寺口などがある。中の宮まで車道になっているため、参拝に訪れる人々はほとんど歩くことなく年中の諸行事に気軽に出かけることができ、親しみ深く近い山となった。
特に冬の催事が多く、近隣遠方を問わず雪中行事に参列する。
12月31日の庭燎祭は大晦日の大祓式に続いて行われるもので、講中から奉納された綱を参拝客に授与し、前庭で三三把の柴に姿をかえた綱に点火する、別名「綱取祭」と呼ぶ恒例の行事である。翌1月1日には元旦祭、1月4日に厄払祭と続き金峯山の新年が始まる。
春を間近にしていながらもいまだ厳寒の中にある2月28日、午前零時をもって行う山開き祭がある。若い男女が手を携えて参拝する姿も多いことから「えんむすび祭」ともいい、毎年かかさず登り来る人がある。
前夜27日は庄内で唯一の雪灯篭祭が開催される。企業や個人が奉納した大小の雪灯篭は中腹中の宮を中心に参道の両脇につくられ、幻想的な火の光が山の白い闇に映える。
やがて、28日午前零時、山頂社殿で行う神事に合わせ、雪深く老杉が覆う急坂を上る。社殿下に登拝者の休憩所が設けられていて、一晩中火を焚いて労を犒い、語り合う。
赤く燃える火と、立ちこめる煙の中で、往く年と来る年と、そして山の話は尽きることなく続く。朝日を浴びて下山する足許に市街地が輝いている。 |
●鎧ヶ峰から金峯山への道
●金峯山中から母狩山 |
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