 |
|||||||||||
|
|||||||||||
| 庄内側だけではなく、内陸部の最上地方や村山地方のどの山里や街から眺めてもなだらかな稜線を朝と夕べに高々と浮かべて立っている山、月山。標高1984mのこの月山は、県内の著名な山々の中で唯一他県との境界を分かつことなく、雄々とその中央部を大きく占めて座っている一人の山。 月山の魅力は尽きることがない。山岳としての厳しい自然と、懐に深く抱きつつむような優しい高原があり、しかもそれは古来からの神秘と伝説に永くつながっていて、謂れを持つものが山中と周辺に多く散在する。 登山者が求める山の険しさに特別記さなければならないことこそ少ないが、月山一帯にちりばめられた千変万化の四季のパフォーマンスは、むしろどのような人々にも等しく感動を与える点で際立った存在といえる。 高原と山麓は春早く賑わい出し、ラングラウフで汗を流す人々がいれば、野鳥の観察にいそしむ人がいる。山腹には軽装のスキーヤー、スノーボーダーたちが自然ゲレンデの中で陽を浴びている。７月１日の山開きを待って月山は老若男女、白装束の三山登拝の人々を迎かえ入れる。咲き誇る花々と山頂での360度の大展望台を惜しみなく与え、一足早く告げる秋の景色に身をつつむまで、その短い季節を精一杯の歓びで満ちる月山。 |
|||||||||||
|
