『飛島風景』   1983年11月(第233号) 

 再び冬。地吹雪。空が重くなって気も重
 い。寒い日には布団にくるまってバーボ
 ンなどを飲み、まるで冬眠中の猫。猫の
 心地よい退廃感に浸ります。大島渚監督
 も言ってました。“若い女優は、一度退
 廃させると見違える程良くなる。”

 

 『人 形』    1983年12月(第234号) 

 明日できる事を今日するな!等と生きて
 いると、“追いつめられた人間の、最大
 の美徳は開き直る事だ!”となる。その
 結果、雛菊のように溌剌とした人形も、
 ついつい“自分”になってしまう。困っ
  たもんだ!

 

 『アマゾン』 1984年01・2月(第235号)

 “酒は悪魔の水”等と呟きながら、12・
 1月と悪魔と中々の仲良し。うちの女性
 戦士“アマゾン”も…強くなる訳です。
 『我らの、操りの糸を握るは悪魔なり。
 忌しきものに心を奪われ、日毎に一歩堕
 ちて行く。彼方は地獄!』(ボードレール
 の「悪の華」)……全く。萎れて薔薇も、
 苦笑い。

 

 『新井川風景』 1984年03月(第236号) 

 人は誰でも(仕事以外に)やるべき事が
 ある筈で、夜更けてモワッと、不安と不
 満、焦りとかのミックスジュースが胸に
 湧き上がるって事がその証拠。それでも
 頑張って退廃していると、次第に証拠が
 固って来てしまう。追いつめられて……
 その時なのです。開き直っちゃうのは…。

 

 『船と港』    1984年04月(第237号) 

 港そのものの雰囲気かもしれない。しか
 し、陸にうち上げられた船には、ある哀
 愁がある。スタンダール風に言えば、男
 は船で女は港。実は船は、一生航海しつ
 づける宿命を持って生まれた筈。しかし
 港も、初めこそポーッとしてても、気が
 つくと中々強力な錨に変貌してしまう。
 ……そうこの頃、陸に上がった船が、多
 いとは思いませんか?

 

 『鳥海山』    1984年05月(第238号)

 私の“アトリエ”は2階にあり、アトリ
 エ風に北窓になっている。そこから鳥海
 山が良く見るのです。今夜など雨上がり
 の月明りで、夜空にくっきり山の雪。明
 日は晴れそうだから、早く起きて絵を描
 こう!

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