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熊野長峰


 東北自然歩道「新・奥の細道」は、森や川、野鳥や昆虫、植物などをゆっくりと歩きながら触れあい、その地域の特色ある歴史と文化、自然に親しむためにつくられた道である。福島県白川を起点として東北六県を周遊するスケールの大きな、長距離自然歩道であり、山形県にも六つのルートが拓かれている。
 東北一周ルートとは別に、景観の優れた地域や名勝地に向かって歩くルートもあり、健康的で知的な遊歩道である。ほぼ一日で歩ける行程をめどとしていることもうれしい特徴であろう。
 標高300mあたりに車止めがあり、大谷貯水池が広がっているところから、熊野長峰の一周コースは始まる。
 よく整備された道をしばらく登ると、湿原群へのコースとそのまま山頂へ至るコースに分かれる。すでに山頂近く、標高380〜390m、南側に点在する湿原群は大小八ヶ所からなっていて、多くの雑木と植林された杉がこれらを囲み、水質を保つ役割をなしている。
 この地区では湿原一帯を”龍池の沢”と言い伝え、龍頭ヶ池、龍尾ヶ池、三昧ヶ池の三つ池を中心に総面積2.5haの湿原群を形成し、周辺を含む18haが鶴岡市指定の天然記念物である。
 ここはまた、低標高でありながら、暖地系と寒地系の動植物が混生しており、中でも高山性植物のマンネンスギや、日本最小と言われるハッチョウトンボ、ギフチョウ、エゾミドリシジミなどが原生の状態で棲息する、学術的に見ても価値ある湿原群である。山頂展望台からの眺めもよく、遠く秋田県の男鹿半島まで望むことができる。


●湿原・龍尾ヶ池

●ミズバショウ


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