TOP NEXT
鳥海山



荒波がその裾をぬらす孤高の山

海抜0mから立ちあがる姿は

東北の山々の頂点にいて

今も火山の胎動を秘めている大自然

 私たちは今、いちばん高い山々へ向って出発する。昼の雷鳴と同じように、たくさんの静かな小さい声が私たちを呼んでいる。「もっと上に来なさい」と。(はじめてのシェラの夏・ジョンミューア/宝島社)
 鳥海山の頂を仰ぐ裾野の町や中腹の登山口に立つと、きっとこんな声が聞こえてくる。上へ上へと誘う山の一つである。
 日本三大砂丘の一つ、庄内砂丘が北の端で終わるところからこの山は立ち上がってゆく。山域は山形と秋田の両県に跨っているが、山頂は山形県遊佐町に入る。標高2236mは東北で第二の高峰であり、福島・群馬県境の尾瀬に聳えるの燧ヶ岳に一位の席を譲っているが、凜として立つ独立峰の気高さと、富士山に例えられる秀麗な姿は東北第一等の名山といってよい。
 新緑が萌える山麓の初夏、頂上から中腹にかけてはまだ多くの雪が残り、大滑降に挑むスキーヤーが列をなして岩氷におおわれた高所へと上ってゆく。8月に入れば山は無数の高山植物が咲き乱れ、貴重な花の一大宝庫となって人々の眼を楽しませてくれる。この広大な花園で遊ぶ一日も、頂をきわめて夜を過ごし、昇る朝日と日本海に映える三角錐のシルエット「影鳥海」にめぐりあうダイナミックな一日も、かけがえのない山遊びとなる。訪れる人と麓の人々とに計り知れない恵みを与える鳥海。

クリックで拡大地図

   周囲10箇所にのぼる
 登山口からのバラエティ
 一山百姿の山頂へ誘う展望の道を行く

[参考コース・所要時間]
吹浦口(JR酒田駅−大平/バス1時間5分 JR吹浦駅−大平/バス30分)
大平登山口(2時間30分→←1時間40分)御浜小屋(1時間10分→←50分)七五三掛 ※外輪コース、千蛇谷コース分岐(1時間30分→←1時間)山頂神社(20分→←15分)新山山頂
湯ノ台口(JR酒田駅−滝ノ小屋下/車40分)
滝ノ小屋(1時間→←45分)河原宿(2時間→←1時間30分)伏拝岳(30分→←30分)山頂神社
ニノ滝口(JR遊佐駅−一ノ滝駐車場/車20分)
ニノ滝(2時間30分→←1時間40分)不動滝(40分→←30分)千畳ヶ原(40分→←30分)鳥海湖(1時間→←50分)御田ヶ原(2時間15分→←1時間45分)山頂

鳥海山の位置図


Copyright (C) 庄内広域行政組合. All Rights Reserved.