グリム童話のなかに、「寿命」いう寓話がある。

神様が世界を創り終わった時、動物たちに「寿命」を与えることにした。


神様は、全ての動物に均等に「30年」の寿命を与えようとしたが、
ロバは『重い荷物を背負って生きるには長すぎる』と、18年を削って
もらった。また、犬は『そんなにいつまでも走り回れない』と12年を、
猿は『陽気な馬鹿をやっているには長すぎる』と10年を削ってもらった。

しかし、人間は『自分の家を建てて、田畑に実りをもたらし、カマドの火が 燃えさかり、やっと暮らしを楽しもうとする時に、なぜ死ななければならな いのか』と嘆き、ロバの18年、犬の12年、猿の10年を加え、70年の
寿命をもらうことになった。
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そのため人間は、最初の30年は人間としての寿命を元気に、仕事にも喜び を見いだして生きる。しかしその後は、重い荷を背負う18年、そして走り 回る元気のなくなった12年、最後には間抜けなことをする10年を過ごす ことになったのだ、という


(写真の花は「クンシラン」つまり「君子蘭」)

と、たんなる引用でおわってしまう。

(2001.6.30)