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高館山

 
 高館山の山名は、戦国時代に物見のための館がおかれたことに由来している。その昔、庄内地方を領地としていた武藤氏の居城、尾浦場を背後から守る形で山城が築かれ、法師武者の一族が城代としてここに住まい、近辺には多くの僧坊が立ち並んでいたという。これを物語るように、屋敷跡や城門の跡があり、用水池や防御施設などが残っているが、山城そのものは未完成に終わったと伝えられている。江戸時代以来の幕府領で、国有林となったため、コナラ、トチ、ブナなどの自然林が保たれ、樹種が多く、棲息する動物も多く、鳥獣保護区にも指定されている。昭和49年には林野庁から東面約200haが自然休養林の指定をうけ、さらに昭和61年「森林浴の森100選」にも選ばれた。

●原敬の記念碑

●高館山山頂
 高館山から東に突き出て、桜の名所として知られる城址公園「大山公園」がある。その両袖に、北に下池、南に上池を配して、近年まではボートを浮かべ散策を楽しみ、季節の折々に賑わいを見せた。昭和8年頃から本格的な整備事業にかかり、全山に10コースの道を持つ魅力の森となった。
 この自然休養林の七割を占める、夏緑落葉広葉樹林や、分布上貴重な植物も自生している。植物751種、昆虫613種、鳥類146種、哺乳類16種、両性・爬虫類20種など実に豊富。中でも、トウホクサンショウウオやアカネズミが棲み、またオジロワシやオオタカなども訪れ、秋には、冬鳥のコハクチョウがここで越冬する姿も見られる。


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