* 2005 *
Asuka Ekiden Team

県中学駅伝
2005.9.10.
男子 女子

優勝タイム 57’05”

 *1区 土田 俊徳  8’59”  区間2位    2位通過
 *2区 庄司 尚貴  9’42”  区間7位    3位通過
 *3区 佐藤 大暉  9’43”  区間3位    3位通過
 *4区 阿部 睦司  9’48”  区間3位    3位通過
 *5区 山木 遥哉  9’32”  区間1位(新)  1位通過
 *6区 小野寺和祥  9’21”  区間1位    1位ゴール



'05県中学男子駅伝。

女子が、歓喜のゴールに湧いているとき、
一番複雑なのは、いつも我が男子チームだ。

仲間の勝利はうれしいが、自分たちはどうなのか、
という不安な気持ちでいっぱいなのと、
「よーーし、俺たちもやってやる」という気持ちで
複雑になることだろう。


そんな彼らを一人ひとり、招集所に移動させるとき、
「女子のお見送り隊になりたいか?」と、全員に言った。
我ながら、鬼のような殺し文句だ・・・・・・。

そうすると、きっとみんな想像しただろう、
全国大会に向かう女子のバスを見送る自分たちの姿を。

そして、自分を奮い立たせてくれたに違いない。
決して、プレッシャーになんか負けない、
優勝しなくてはならないという重圧になんて負けない、
そういうプライドや精神力があると信じていたから言えた殺し文句だったから。


そして、運命の男子スタート。
1区は、夏休みから若干調子を落としているといっても、
我がチームのエースで男子主将、土田●徳。
ライバルの齋●くんとの一騎打ちは、予想通り。
前週の県選手権では5秒差で負けていたから、
後半の登りから一気に差を広げられたが、
ラストは粘って3秒差で、襷をつないだ。
区間2位、8分59秒、トップとの差3秒。

2区には、ラストスパートで有名な庄司●貴、
しかし、ラストスパートが利く条件は、
トップでもらい、追いつかれて粘って、ラスト300から勝負というパターン。
今回は2位でもらうという、やはり初めてのレース展開。
夏休みに入るまで、800を専門にやっていただけに、
まだ距離に不安があって、なかなか9分台を出せず、
本人も周囲も焦っていたのだった。
そして、中盤から、なんと全く予期していなかった付●中と
ライバル余●中との2チームの競り合いによって、
私の予想より、その分7秒余計に差がついてしまった。
でも、尚●自身は、今季のベストは更新してくれたし、
調子は登り調子と確信できる走りだったから、良しとしたい。
区間7位、9分42秒、3位通過、トップとの差17秒。

3区は、夏休み中盤から、ド貧血になってしまっていた佐藤●暉、
最初は暑さからくる熱中症による立ちくらみだと思っていたが、
後期合宿から、もう完全におかしくなっていた。
夏休みに入っていた頃が、好調だっただけに、油断していた。
しかし、焦ってもしかたない。
練習量を若干落としても、鉄剤の効果が現れるのを待つしかなかった。
そして、本番は、もう精神力としか言いようがない
最後まで苦しそうなレースだったが、
なんとその差は、それほど広げられはしなかった。
順位は3位のままだが、私はここで光明を見た気がした。

本音を言うと、ここまでで20秒ならなんとかなると思っていた。
しかし、2区までで誤算の17秒だったから、
ここでもしかすると30秒になったらやばい・・・と。
確かに、中盤では30秒近く開いた差が、
登りでの粘りでその開いた差を見事に埋めてくれた。
まだ完治しない貧血気味な状態で本当によく走れたと思う。
区間3位、9分43秒、3位通過、トップとの差18秒。

そして、4区は、これが駅伝デビューの阿部●司、
これまで、1年生のときから、何度とない故障の繰り返し、
1ヶ月休ませて、走れるようになっても、また別のところ・・・というように。
そして、慢性的な貧血だから、
今年の春までに選手になるチャンスには恵まれなかった。
同時スタートでは、競り合い、記録を伸ばせても、
バラバラスタートで走ると記録が伸びない、という弱点もそれを阻んだ。
しかし、最後の試走では、一人で走っても起死回生の記録を出した。
そして、自分で選手の座をつかんだのだ。
暑さもピークになった頃、オーバーペースで突っ込む前を行くライバルたちに、
初めてのレースとは思えない冷静な入り、
前日の刺激の1000のときに、私に押さえて入れと言われたことを
忘れていなかったと言う。

不利な戦況でのその冷静な判断が、1000mからの猛追を呼んだ。
いつも苦しそうな走りをする彼しか見たことのない我がチームの保護者の無線に、
「いい走りだ」「追いついてる」「どんどん縮まってる」の歓喜の声が響いた。
ゴール手前では、やや負けたものの、
ほぼ同着で、3チームがなだれ込む状況となった。
タイムも自己ベスト15秒更新の立派なデビュー戦になった。
区間3位、9分47秒、3位通過、トップとの差1秒。

5区は、唯一の2年生、山木●哉、
春には県縦断駅伝を走り、飛躍した子だ。
しかし、若さゆえか、自分への甘さ、その他いろいろな原因があったのだが、
春以来、記録はぱったりと伸びなくなった。
伸び盛りなのに、なかなか結果が出せなくなった。
しかし、このレースの5区を任せたことで、
私の期待をわかってくれたのだろう、
予想通りのオーバーペースで突っ込み、あっという間にトップに立った。
でも、全く心配はしていなかった。
なぜなら、本人がやれると思って入ったペース、
そして、突っ込んで潰れる経験も何回もしている、
でも突っ込んだんだ、だから、本人が大丈夫と思うギリギリの入りだったはず。
中盤少しペースが落ちても、ラストは必ず粘って、
差を広げて来てくれると信じていられた。
そして、期待通りの100m差、そして、この日初めてトップでリレー。
区間1位、区間新、トップ通過、2位との差17秒。

最終6区には、全てを担ってアンカー小野寺●祥、
追い上げるライバルには、前週の県選手権で10秒ほど勝っている。
だから、その差が15秒あれば、
よほどのことが無い限り、追い越されることはないだろう
と、前日にオーダーを見て考えていたから、
私は、襷が渉った時点で、ほぼ優勝は確信した。
区間1位、9分21秒、優勝、3連覇達成、2位との差30秒。

このとき、私と一緒に、私のそばで、次々に入る無線を聞いて
一喜一憂、4区で追いついた時点で涙にくれていた
●祥ママと●貴ママだったが、
1キロを過ぎても、その差を縮められない後続の追い上げに、
「転ばない限り、優勝でしょう」という無線の声、
それで、優勝を確信してお二人とも本泣きしていた。
親ってありがたいねぇ。

それから、一緒に全国に行こう、と
レースを終えたぱかりだと言うのに、
何回も場所を変えて、行ったり来たりして、走り回って応援していた女子チーム。
良かったね、一緒に出場することになって。

そしてもちろん、東北・全国・金沢駅伝とチャンスを残してもらった
今回補欠だった2年生3人、まだエンドリーもされていない1年生2人、
それぞれの役割をしっかりをしてくれた。
このチャンスをのもにするには、
練習から、レギュラーに勝つ練習をしていくことだよ。

また、去年までとは違ったレース展開に、
ハラハラしながらも、選手が追いついたときには、
エールや選手の名前をコールしてくれた全校応援の飛●中生と諸先生方、
本当にありがたかったです。
どんなにか、あの大きな声援が、選手たちの背中を押してくれたことか。
あきらめそうになっても、あきらめられない気がしてくる素晴らしい応援でした。

本当にありがとうございました。
今年は無理かも、という弱気になっていた日々もあって、
全校応援は少し重たいなぁなんていう
我が儘で、贅沢な不安を持っていた私でしたが、
今年ほど全校応援のありがたさを感じたことはありませんでした。
子ども達の素晴らしい走りを、粘りを、みんなに見てもらえて、
本当に良かったと思っています。

あとは、男子の立てた「全国で入賞以上、できればメダル」という目標に
少しでも近づけてやれるように、頑張らせたいし、
私もあと少し、頑張ります。



優勝タイム 42’22”

 *1区 前田 佳恵  10’13”  区間2位    2位通過
 *2区 石黒 杏奈   6’45”  区間1位(新)  1位通過
 *3区 鈴木 未来   7’19”  区間4位    2位通過
 *4区 加藤   岬   7’38”  区間8位    1位通過
 *5区 高橋 沙織  10’27”  区間1位    1位ゴール




'05県中学女子駅伝。

いつものように、先にスタ−トした女子駅伝。
今年は、たった6人のチームだけど、
去年の全国大会入賞経験ありの精鋭6人だ。

陸上部4人、吹奏楽部1人、バスケットボ−ル部1人という構成。
しかし、春の地区大会優勝のあと、
ケガをしたり、貧血になってしまった子もいて、
朝練習で、たった3人しか走っていない時期もあった。

しかし、この大会までには、みんななんとか間に合い、
全員が走れるぞ、という状態で臨むことができた。
そして、その中の5人が、この日力走した。

まずは、1区の前田○恵。
走る直前まで、2年生だもの、
花の1区のプレッシャーで、さぞかし緊張したただろう。

でも、名実ともに今年の飛○中のエースなんだから、
○恵が1区トップで帰ってこれなかったとしても、
誰も文句は言わないから大丈夫、
だって、○恵以上に速く走れる者がいないんだから、
駅伝は、全員であがってナンボ、
だから、できる精一杯で走ってくれればいいんだから、と
前日のミーティングでは話しておいた。

そして、本当にベストの走りをしてくれた。
まじで、日頃は朝の30分のjogしかしていない子である。
夏合宿もバスケットボールの練習との絡みもあって、全部は参加できなかった。
でも、そのぶん、参加したときは、本当に全力で頑張ってくれる子だから、
きっとトップでなくても、精一杯、差のない距離で来てくれると信じていた。
案の定、十分逆転可能な距離で戻ってきてくれた。
区間2位、10分13秒、トップとの差13秒。
よ〜〜し、陸上部の選手とこれくらいの差なら立派なもんだ。
東北大会までには、さらに力をつけて、
この日の悔し涙を、喜びの涙に変えようね。

次は、2区石黒○奈、
同じく2年生、この子ほど故障、けが、貧血・・・・・と
悩まされ続けた子はいない。
体が小さく、細い子だから、ひとつひとつの練習のダメージが
他の子よりも大きかったのだろう。

けがをしたときに癖になったビッコが治らなくて苦労した夏休みだったが、
それでも、もくもくと練習に励み、
すっかり良くなったところで、この大会に間に合った。
練習では、7分20そこそこだった。
でも、本番ではきっと6分台は出るよ、と言っておいた。
そしたら、まさか6分45という大会新まで作るとは本当に驚いた。
区間1位、6分45秒、トップ通過、2位との差12秒。

そして、3区鈴木○来、
今回が駅伝デビューだった。
人一倍細く、慢性的な貧血で、なかなか結果が出ず、
駅伝で走るチャンスは、春の地区大会にも間に合わなかった。
少しずつ貧血が良くなってくるにつれ、
距離も走れるようになり、スピードもついてきた矢先に故障し、
約1ヶ月半走れなかった。
夏休みに入ってやっと走れるようになり、
それでも時々痛む足をいたわりながら走り込んだ。
その力が、試走のたびにベストを更新するという好調に結びついた。

抜かれはしたものの、自己ベストを15秒も更新する快走。
抜いた相手が、思っていた以上に速かっただけ。
抜かれた責任を感じ、泣いていたのだけれど、
「ちゃんと仕事をしたんだよ、
 ベストを大幅更新の結果なんだから胸を張っていいんだ」って、
そう言ったら、改めて優勝の感激にひたっていた。
駅伝デビュー戦、区間4位、7分19秒、2位通過、トップとの差19秒。

次に、4区加○岬、
吹奏楽部ながら、3年間駅伝チームで頑張ってくれた女子主将である。
毎朝の朝練習だけでは、運動部との練習量とは
明らかに差がある。
その運動量の少なさを帰宅後にjogして補い、
これまでも、地区2回、県・東北大会各1回と走っており、
今回が5回めの駅伝ある。
落ち着いて、トップをいくチームをジリジリと追い上げ、
1キロでとらえるとぐんぐんとその差を広げてくれた。

うちのチームは、保護者の皆さんの絶大なる応援体制のおかげで、
500mごとにその戦況を知ることができた。
岬が、5秒、10秒、15秒と差を広げているとその経過を聞くにつれ、
さすがの私も、鳥肌が立った。
もちろん、これで優勝できる、という確信を持てたからである。
区間8位、7分38秒、トップ通過、2位との差20秒。

いよいよアンカ−橋○織、
前週の県選手権でジュニアオリンピック出場を決め、
その好調を維持している頼れるアンカーだ。
20秒あれば、もう大丈夫だろうと信頼していた。

1キロこそ、オーバーペースを気にして、落ち着いた入りだったが、
中間あたりからの下りを利用して、ぐんぐんとスピードを上げ、
後半も合宿で培った登りを走る力を発揮して、
2位との差を30秒に広げて、ゴールテープを切った。
区間1位、10分27秒、優勝、2連覇達成。
本人は、去年の先輩のタイムに及ばなかったことが残念だと言っていたが、
それは、東北大会のお楽しみとしよう!!

そして、ただ一人補欠にまわった後藤○咲、
最近の調子は登り調子で、走る度に試走ではベストを更新していたのだが、
まだまだ本人も、私も少し不安があって、
今回は補欠にまわった。
本人の日頃の努力や、本番での精神的な強さを考えれば
十分にこれから選手として走るチャンスはある。
次の大会まで、焦らずにもっともっと調子を上げていこう。

今年のチームが話し合い、
正月に掲げた「全国連続入賞」という目標に
これで、また1歩近づくことができた。
6人だけでやり抜くことは、本当に大変だったし、
全国大会までこれからも、かなり厳しいものになるだろう。

全国を決めたあと、うれし涙でしゃくしゃになったこの子達に、
「また全国大会まで、練習をお願いします」と言われたが、
こちらこそ、よろしくお願いしたい。
夏の走り込みの成果を生かして、
ケガや貧血という失敗を繰り返さぬようにして、
みんなで団結して、励まし合って頑張っていこうっ!!!!!!!!!!



さて、そんな優勝から1週間たってしまったが、
全国大会までの強化は始まっている。

「県優勝、おめでとう。全国でも頑張ってください」のエールが
日に日に重くのしかかってくる。

今年こそ、「駅伝指導」最後の年と決めている私にとっては、
これが最後の全国大会だろう。
だからこそ、戦績ではなく、思い出に残る勝負の大会にしたいから、
あと3ヶ月余り、頑張りたい。

体力的にも、精神的にも、しんどい1年だったけど、
なんとか、いろいろな期待に応えて県優勝できて良かったと
正直、胸をなで下ろしている。